四代目ワゴンR(WAGON-R)は、2008年9月~2012年8月の間に販売されたワゴンRで、型式はMH23Sです。

この間にワゴンRを購入した多くの方が、四代目ワゴンRのオーナーということになります(福祉車両は2012年11月まで)。

四代目ワゴンRは先代から燃費の改良が施されているものの、エンジンは先代と同じK6A型とよばれるものをそのまま搭載しています。

K6A型エンジンは、標準仕様に加えてターボ仕様も用意されていて、軽自動車では最高の64馬力を出力する力強い走りが魅力です。

力強い走りの反面、走行距離が3万キロを超えたあたりから、エンストやアイドリングが不安定になるなど、エンジンに関連するトラブルが多く発生する傾向があります。

四代目ワゴンRによくある不具合はどのようなものがあるのか、その内容と修理にかかる費用・期間を詳しく解説していきます。

四代目ワゴンRによくある不具合故障事例

国土交通省に寄せられている四代目ワゴンRの情報数145件をカテゴリーに分けると、以下のようになっています。

1.エンジン:18%
2.ブレーキ装置:13%
3.保安灯火:12%
4.動力伝達装置:7%

参考:国土交通省 自動車のリコール不具合・不具合情報(2017年8月15日時点)
http://carinf.mlit.go.jp/jidosha/carinf/opn/index.html

K6A型エンジンの不具合の情報が多く、次いでブレーキ関連の不具合情報、ライト・ランプ等の保安灯火、動力伝達装置(ミッション)の4カテゴリーで全体の50%を占めます。

それぞれの不具合の内容をみると、まずエンジン関連の不具合が多いです。

K6A型エンジンの不具合は「エンスト・エンジンかからない・アイドリング不安定」など先代のワゴンRでも発生していた不具合を四代目ワゴンRでも引きずっています。

ブレーキ装置では「ABSが作動しない」という不具合情報が多くを占めます。ミッション関連の不具合は、「異音・警告灯が点灯・振動」の不具合情報が目立ちます。

ネット上の口コミを確認しても、国交省のホームページに掲載しているエンジン関連不具合が中心となっています。

いずれの不具合も大きなトラブルにつながるリスクが高い不具合のため、四代目ワゴンRのオーナーは注意が必要です。これらの不具合について詳細を確認していきましょう。

「エンスト・エンジンかからない・アイドリング不安定」

まず四代目ワゴンRで最も多いのが、エンジン関連の不具合です。

その中でもひときわ発生が多い不具合が「「エンスト・エンジンかからない・アイドリング不安定」です。

どのような症状で、修理にいったいどのくらいの費用や時間を使うのかを解説していきます。

不具合の概要

1.アイドリング状態でエンジンの回転数が不安定になりエンストする
2.アイドリング状態でエンジンから異音が発生する
3.アイドリング状態でエンジン音のリズムが一定しない
4.走行中にエンジンからドドドっと振動や異音がする
5.Dレンジに入れたまま停車中に車体がドドドっと揺れる

エンジンをかけたまま停車している状態をアイドリング状態といいます。

この状態でのエンジンの回転数は、通常1,000回転程で一定するように設定されています。

四代目ワゴンRでは、アイドリング状態でエンジン回転数が安定せず、回転が上がったり下がったりします。

エンジン回転数が上下すると、車が揺れたり、エンジンが停止したりする場合もあります。

不具合の原因

不具合の主な原因は、「エンジン内部の汚れ」です。

通常のエンジンでは、燃料と空気と混ぜてから、燃料室に噴射するのですが、四代目ワゴンRのエンジンは、直噴エンジンといって、燃料室に燃料を直接噴射する方法を取っています。

直噴エンジンは小さなエンジンでも大きなパワーを出すことができるので、車体の小さな軽にとって、軽量化や燃費向上のメリットが大きいです。

その反面、燃料が直接エンジンの燃料室に入るため、燃えカスや汚れが発生しやすくなります。その燃えカスや汚れがエンジンの内部に溜まり、エンジンの不調を引き起こしています。

修理費用

修理の内容は、エンジンの内部の清掃です。

接続端子や、アイドリングの回転数を調節する部品、気体の通り道や弁などに付着した燃えカスや汚れを清掃します。

清掃に加えて、点火装置を交換する場合は比較的に安いですが、オーバーホールと言ってエンジンを分解して整備する場合の費用は高額な修理になります。

1.簡単な清掃の場合:約2万円~約3万円
2.オーバーホールの場合:20万円以上

スズキのエンジンの無償保証期間は、新車登録から5年または10万キロ以内です。それを超える車は、新車保証延長制度に入っていない場合は全て有償での修理になります。

修理期間

簡単な清掃の場合は引き渡しから引き取りまで約1日程度ですが、オーバーホールの場合は、最低でも7日程度はかかると考えておきましょう。

1.簡単な清掃の場合:1日程度
2.オーバーホールの場合:最低7日

ただしエンジン部品の調達や取り寄せに時間がかかる場合があります。

その場合は、修理の完成は2週間から3週間程度の延長が発生するので注意が必要です。

「ABSが作動しない」という不具合故障事例

四代目ワゴンRにおいて、エンジン関連不具合の次に多いのがブレーキ装置の不具合です。その中でもABS装置の不具合が多く、その内容を確認していきましょう。

不具合の概要

1.ABSが作動しなくなった。
2.ブレーキをかけるとABSが誤作動する
3.ABSのランプが点灯する

ABSとは、Antilock Brake Systemの略称で、急ブレーキをかけたときに、タイヤやロックして滑るのを防ぎ、ハンドル操作を可能にするための安全装置です。

ABSが作動しなくても、ブレーキは通常どおり効きます。ABS警告灯はスピードメーター内でABSの文字が入ったランプで、そのランプが点灯している間は、ABS機能がはたらきません。

万が一の事態が発生したとき、ブレーキを思い切り踏んだ状態ではハンドル操作が困難になります。

不具合の原因

ABSの主な故障の原因はこれら4つにわかれます。

1.ABS自体が故障
2.車の速度を検知するセンサーが故障
3.電気系統が故障
4.ブレーキランプが球切れ

ABSユニットそのものが故障していれば、もちろんABSは作動しませんが、関連する装置の不具合によってもABS警告灯が点灯する場合があります。

ABSを作動させるために、コンピューターは車速センサーで車の走行速度を把握します。車速センサーに故障が生じると、走行速度がわからなくなるため、コンピューターがABSを作動させることができなくなり、ABS警告灯を点灯させているのです。

他には電気系統に不具合がある場合もABS警告灯を点灯させる場合があります。

コンピューターはABSの作動が必要と判断したとき、ABSユニットに信号を送ります。信号を送る途中の電気系統に問題がある場合、ABSを作動させることができないため、ABS警告灯を点灯させることになります。

この他、ブレーキランプが球切れしていても、ABS警告灯が点灯する場合があります。

ABS警告灯が点灯する原因は、ブレーキランプの球切れ以外は、専用の診断機を車につなげないと判明させることができない不具合です。

修理費用

ABSの警告灯が点灯する原因によって、修理方法と費用が大きく変わります。修理に掛かる工賃を含めたワゴンRの平均的な費用は以下のようになっています。

1.ABSモジュレーター交換:工賃を含め約100,000円
2.センサー交換:工賃を含め約20,000円
3.電気系統が故障:(バッテリー交換の場合)工賃を含め約15,000円
4.ブレーキランプが球切れ:工賃を含め1個あたり約2,000円

ブレーキランプの球切れやバッテリー充電、センサーの故障が原因の場合は、ABS不具合の中では比較的に安価です。

ABSそのものが故障している場合はかなりの高額修理となります。ABSモジュレーターという部品がものすごく高額なんです。工賃を含めて10万円以上かかることを想定しておきましょう。

修理期間

ABSのランプ点灯の修理の平均的な待ち時間はおよそ以下のようになっています。

1.ABSモジュレーター交換:1時間~2時間
2.センサー交換:30分~1時間
3.電気系統が故障:30分~1時間(バッテリー交換の場合)
4.ブレーキランプが球切れ:15分~30分

ただし、ABSのランプ点灯は故障原因を専用の診断機で特定する必要があります。診断をしないと闇雲に部品を交換することになります。

この診断も通常であれば15分から20分程度で完了します。その後に部品交換という流れです。部品がない場合は、取り寄せになるため、3日~7日程度待って、もういちど修理店に行かなければいけません。

ワゴンRのよくある不具合故障事例のまとめ

紹介した不具合以外にも、四代目ワゴンRでは「ストップランプが点かない」、「エアコン効かない」などの報告が国交省に打ち上げられています。

エンジンの不調やストップランプが点かない不具合は、車検を合格しません。

逆にABSやエアコンの不具合は、車検項目ではないため、車検には影響しません。

衝突回避や快適な車内を維持するための装置ですので、車検項目ではありませんが、安全に影響を与える不具合であることには変わりありません。

どんな車にも不具合があり、安全や経済的なリスクがあります。ワゴンR に起こり得る不具合を頭に入れながら、車検や買い替えの判断をしてください。

車検を目前にして買い替えを決断するよりも、車検までの日数が残っている早い段階で査定をしておけば、買取価格に優位性があり、車検か買い替えの判断もしやすくなるはずです。

ワゴンRの不具合リスクを知ったタイミングで一度査定してみることをおすすめします。